#200円の夏祭り
- toshiki tobo
- 2021年8月24日
- 読了時間: 3分
僕は現在3社目なわけなんだけども、
2社目のときあまりにも手取りが少なくて
土曜日にアルバイトをしていた。
知り合いに紹介してもらった喫茶店。
今はもう無くなってしまったのだけど、
欧風カレーがとても美味しいお店だった。
客なんてほとんど来なかったけど、
ゆったりしていてとても居心地のいいところだった。
なんで人が来ないのか不思議なくらいだった。
当時僕は松戸に住んでいて、片道1時間かけて三軒茶屋まで通っていた。
正直きついし、しんどいなと思ったことがたくさんあったけど、
お店の人はいつもとても優しくしてくれた。
ちひろさんと服部さんはそこで出会った
優しいお兄さんとお姉さん。
ちひろさんは占いをやっていて、服部さんはカメラマン。
2人はこの騒々しい東京で穏やかに暮らしてる。
で、ちょっと変な人たち。
先日、1年半ぶりぐらいに2人に会いに行った。
3人でたこ焼きを作った。
僕は初めてたこ焼きを作った。
すごく楽しかった。
全部おいしかった。
ちひろさんと服部さんはいつも優しい。
いろんな話をする。
だけど、あんまり覚えていない。
本当に覚えていない。
だけど、とっても楽しいんだ。
家族になったみたいな気持ちになる。
ちひろさんは僕のことを「とんちゃん」と呼んでくれる。
なぜかは忘れた。
ちひろさんだけがそう呼んでくれる。
服部さんは苗字で呼んでくれる。
でも、この間はしれっと名前で呼んでくれた。
お兄さんぽかった。
「とんちゃん、お祭り行った?」
とちひろさんが聞いてきて、何かと思ったら、
「お祭り行ってないよなと思って…」と
お菓子を取り出してきた。
駄菓子だ。
なんと4つの屋台を楽しめる駄菓子。
チョコバナナとリンゴ飴とポテトとトウモロコシ。
これだけ作れて200円。すごい。
3人で夢中で作った。
ガハガハ笑いながら作った。
でね、おもしろかったのがポテトの味。
ポテトだと思ったら、パイナップルだった。
ポテトだと思ったらパイナップルだったんだ。
ただ、それだけ。
それだけで、15分ぐらいが軽く過ぎ去った。
なんであんなに笑ったかはわからない。
でも、ちひろさんと服部さんが一緒だったから楽しかったんだと思う。
一人暮らしを始めてからもうすぐ10年経つ。
家族と一緒に過ごしたいなと思うとかがある。
そんな時、近くにいてくれる人を家族のように感じることがある。
ちひろさんと服部さんはお姉さんとお兄さん。
決して会う頻度は多くないけれど、すごく近くに感じるんだ。
コロナが人と人とを分断したけれども、
そんなコロナに負けない絆が心の中にはあって。
本当に大切な人とはそう簡単には絆は切れないものだ。
そういう絆を大切にしたいと思う。
今日も遊びに来てくれてありがとう。
夕方に帰る予定が帰りたくなくって夜ご飯も食べてきた。
ちゃんとご飯もお代わりしてきた。
ちひろさんはおばあちゃんみたいに
「よく食べていいねぇ」と何度も言ってくれた。
甘やかされてるなと思った。
甘やかされるっていいね。
それでは、また明日。
お粗末様でございました。

Comments