#まじない
- toshiki tobo
- 2023年2月5日
- 読了時間: 3分
ベルトがもうすぐ寿命を迎えそうです。あまりにもからだに馴染んでいたものですから、別れの時がくるのか、と一入の寂しさを感じています。今まで、いくつもベルトを購入しましたが、結局使うものはいつもと同じで。別に他のベルトでもよいのですが、微妙な感覚の違いから、ほぼ毎度同じベルトを腰に通してしまうのです。
ベルトを買ったのは、8年前の大学3年生の初夏だったと思います。当時の僕は、ロールアップしたスキニーデニムにボタンダウンシャツをタックインする着回しに夢中でした。肩にバックパック、足元にはキャンパスシューズ。今でも大好きな着こなしです。少しばかし大人のエッセンスを入れてみたくって、はじめてメッシュベルトを購入しました。ダークブラウンのレザーベルトです。ユニクロで購入しました。
メッシュベルトなので、その時々のウェストの様子に合わせて着用することができ、なんてよいものなんだろう(!)と感動したことを今でも覚えています。それ以来、毎日のようにそのベルトを腰に通し、いろんなところゆきました。革の擦れ具合や色の落ち具合がウェストの変化を物語っていて、僕にとって体型変化のバロメーターとなっていました。
しかし、昨年あたりから、ベルトの一部分が徐々にほころびはじめ、そろそろかな…、と思いはじめていました。そして、つい先日、そのほころびがついに、完全に、ちぎれました。まだまだ、頑張ってくれてはいますが、ちぎれた部分がはみ出てしまうので、タックインの時にはもうこのベルトを選べないことを思うと切ない気持ちになります。使ってきた分、愛着がありますし、適度なくたびれ具合とその色味がたまらなく好きでした。決して高いものではありませんが、僕の目には、他のどんなベルトより格好よく、愛おしく映ります。
ベルトがほころびかけてきた時、もう一度同じものを購入しようとユニクロへ足を運びましたが、モデルチェンジをしてしまったようで、僕の欲しい形ではなくなってしまっていました。そのベルトの寿命が尽きようとしている今、正直困っています。長く使うものだから、と財布の紐を緩めようとしている自分がいますが、このベルトと同じ度合いの愛着を注げるのか?と疑問を呈するもう一人の自分がブレーキをかけます。なんとも悩ましいです。
ただ、ベルトがちぎれたこと、それは一つの機運の高まりを示しているものと勝手な解釈をしています。ふたたび思い出話となりますが、小学生の頃に流行っていたミサンガを思い出しました。同世代の方なら誰しもが、作ったり、足首や手首につけていたはずです。サッカー少年だった当時、友達とミサンガにはまっていたことを思い出しました。
ミサンガには、それが切れると願いが叶うと言われています。当時を振り返り、どんな願いを込めたのか、何か願いが叶ったのか、そもそもミサンガは切れたのか、そのどれもを思い出すことができないことから、完全にお飾りとしてのブームだったと言わざるをえません。が、しかし、今更そんなミサンガのまじないを思い出し、強引にベルトに結びつけようとしている自分がいます。おかしいですよね。そんなまじないを信じてみたくなっているのです。もういい大人なのに。いや、いい大人だからこそ、なのかもしれませんね。
なんでも理屈通りに、思い通りに物事は進まないことを嫌というほど経験してきました。だからこそ、ちょっとしたことでも、何の根拠がなくとも、信じてみたいのです。
明日何があるかわからない世界です。幼心をひっぱりだして、馬鹿正直に、もう少し信じてみませんか?

Comments