#うれしいこと
- toshiki tobo
- 2022年10月25日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月29日
書道の展覧会シーズンがはじまった。少し前からボチボチ作品作りを続けている。来月頭を締めに迎える展覧会に向け、最後の追い込みをしている。昨日、1年ぶりに先生の教室へ訪れた。普段は、月2回の郵送での通信添削をお願いしているが、展覧会前は直接作品を見てもらうため教室へ伺っている。この時期に夏休みをとるのは、そういうわけでもある。
通信での添削は正直もどかしさがある。先生は桃農家をしながら教室を開いており、二足の草鞋を履いた生活を送っている。大変な時期にもしっかり添削をしてくれる。本当に頭があがらない。だけれども、時折、苦しいぐらいの赤字を入れられたり、辛辣なコメントを寄せられたりし、大きく気分をへこませている。裏返せば、とてもまじめな先生が故の行いであるとも言える。だから、会うまでは気持ちが大層落ち込んでしまう。教室へ行けば実際そんなことはないのだけど、怒られるのではとびくびくしてしまう。
案の定、先生は明るく迎え入れてくれ、作品に対するあらゆる角度からフィードバックをしてくださり、やはり対面ではないとほとんどのことは互いに伝わらないなという学びを得た。教室では、先生が僕の字を褒めてくれたり、「この字に関してはわたしより俊樹君の方が上手じゃない?」という真に受けがたい賛辞を与えてくださったりもして「飴と鞭~!」と小さなツッコミを心の中でひっそり入れさせてもらった。「この線をこのようにしてみては?」「この字の崩しをこちらに変えてみては?」などと、熱く意見を出し合う有意義な時間がかけがえなく、忘れがたかいものに感じられた。また、真面目で謙虚な姿勢を年々より一層強める先生の姿に、自分自身の慢心に鞭を打った。
「新しい会を立ち上げることになりそうで…」。先生から突然の報告があった。公式の書道展に出展する際、所属会とあわせて支持する先生の名前を出品表に明記する必要がある。現在僕は、先生の上の大先生が会長を務めている会に所属し、その方の名前をお借りして出品している。ところが、大先生がもう90歳近く一番弟子の先生に独立を促すというか、大先生の勧めにより、心機一転先生が新しい会を開くことを検討している旨お話してくださった。この数年、種々様々なことがあり、先生もたくさんの時間を使って悩んでいたとのことをその時はじめて知った。実のところ、僕は今回の訪問で書道を辞めるとお伝えする予定だった。もうすぐ30歳ということで一区切りつけようと考えていたことと、一人の作品作りはしんどくなってきたこともありそう考えていた。が、しかし、先生の葛藤と「後ろ盾が小さくなるけれど、一緒に頑張らない?」というお声がけに背中を押され、二言返事で今後ともどうぞ何卒、とお伝えしてきた。
先生自身、今までの葛藤を吐露できたことで心を少し落ち着ちつかせることができたのか、その後は新しい会の名前をどうするのかを一緒に考えていた。架空の団体やキャッチフレーズを常日頃から考えている僕にとって、実際のことになったら、それはそれは胸躍る時間で、それはそれは楽しかった。先生からいくつか候補の文字を教えてもらい、先生の意に沿うような案を自分なりにこたえてみた。そしたら思いの外反応がよく、「素敵やん~」などと僕の中のアンミカ先生が大暴走。意図せずに心きらめくような名前が爆誕してしまった。(正直問題、すこぶる意図を組んだ)それになるかどうなるかはまだ分からないけれど、しばらくはこのことで頭がいっぱいになりそう。
相対するものを力業で引き合わせては「ダークファンタジー!」と鼻息荒くしがちな僕だけれど、今回ばかりはまじめに文字を探したりなどしている。カオスな世界に先生まで巻き込むわけにはいかない。いや、実のところ巻き込まれることを先生が望んでいるのかも分からない。いや、ない。
今日も遊びに来てくれてありがとう。
一生懸命やっていればいいことがあると僕は信じて止まない。「たかみなッ!」と間髪入れずに一人二役。ふざけた人生を送っている。本当、ふざけてる。わが、まま、になどと田嶋陽子先生みたいなことを言ってみたり、言わなかったり。まったく関係はないが、ガストで食べた季節のデザートの写真を載せる。
それでは、また明日。
お粗末様でございました。

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