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#心鎮まる佇まい

  • 執筆者の写真: toshiki tobo
    toshiki tobo
  • 2021年10月27日
  • 読了時間: 2分

節操のない世の中だから、

魂のこもった所作に心惹かれることがある。


たとえば、今日の通勤電車。

電車を待つときのしゃんとした背筋、

車内での静かに目を瞑ったあの品行。

理想的な佇まいに心が洗われた。

あそこまでゆくと一種の悟りだ。


この世のセカセカとイライラが

全て詰まったあの空間で

小川のせせらぎを感じた。

美しかった。


毎朝、時間は違えど同じ車両に僕はのる。

でも、不思議なもので乗客の

全体的な雰囲気がまるで違う時がある。


誰しもが己の姿を顧みずスマホに

現をぬかすときもあれば、

皆姿勢を正し周りに気を配るひとばかりの

ときもある。


前者のときはしんどくて途中で電車を降りる時がある

いわずもがな僕は後者の方が圧倒的に心が落ち着く。

落ち着く。

そう思うのと同時に

「この人たちも生きにくい世の中で頑張っているんだな」

とちょっぴり心が繋がったような感覚になる。


目さえ合わなければ、ぶつかっても、

電車の席や歩く道を譲らなくても平気だと

朝の街はそう言いたげだ。


「急いでる」

きっと誰もがそう言うだろうね。

でも、なんでそんなに急いでいるの?

どこに向っているの?

謝れないぐらい忙しいのだろうか?


そう。忙しい。

みんな忙しいんだ。

そんなの僕だってわかってる。


遠くから時間をかけて通ってくる人。

子育てをしながら働く人。

とにかく激務で時間のない人。

僕だってそんなことわかっている。

みんな偉いよ。本当にすごいよ。


でもね。1つだけ忘れないでほしいんだ。

自分の姿を忘れないでほしいんだ。

朝の通勤のあの殺気を放った姿。

あの姿は本当の姿なんだろうか?

とても怖いよ。


毎日やってくる朝。

実はとても美しい瞬間が溢れているるんだ。


思いの外空が青く澄み渡っていたり、

小さな赤ちゃんが母親の腕の中で

すやすや眠っていたり、

犬がしっぽを振って歩いていたり。


どんな瞬間もかけがえのない一期一会。

足早になりがちな朝。

そんなに焦らなくても問題なく毎日は始まる。はず。

集団の中だとその速さに気づかないけど

離れてみると変だときっと気づくはず。

焦ることなかれ。

瞬間、心、清めて。


今日も遊びに来てくれてありがとう。

谷川俊太郎の詩みたいな備忘録になった。

こんなことを書いておいてなんだが、

最近、乙一を久々に読み返している。

実のところ朝の電車で僕が一番

ただならぬ文章を目にしているかもわからない。

死体でいっぱいのあの文章。

いけない。心、鎮めて。

それでは、また明日。


お粗末様でございました。




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