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晴れた日には

  • 執筆者の写真: toshiki tobo
    toshiki tobo
  • 2021年1月29日
  • 読了時間: 3分

今日は天気がとても良かった。

こんなにも抜けるような青空は久しぶりだ。


今日は在宅だったので運転免許証の

住所変更をしに警察署へ行ってきた。


5月に引っ越したのだが、

コロナの影響で不要不急の外出を控えるように、

とのことだったのでずっと変更できずじまいだった。


警察署の場所を調べてみたら

家から徒歩圏内だったので歩いて向かうことにした。


日光が気持ちいい。本当に気持ちよかった。

日陰は肌寒いがポカポカした陽気だった。


子供ができたら名前は太陽にしようと思った。

嘘だ。


20分ほどの道のりだった。

迷わずすぐにたどり着けた。


僕は警察署が嫌いだ。

というより好きな人などいるわけが無い。

好きな人がいたら教えてほしい。


高校生の頃何度か警察署へ行ったことがある。

決してお縄になったわけではない。

お分かりの通り僕は絵にかいたような優等生だ。

お縄になるなんてことはあるはずがない。


どこからか舌打ちが聞こえた。


自転車盗難に何度か遭いそのたびに警察署へ行っていた。

そこで受けた横暴な態度は鮮明に覚えている。

「その程度でくるなよ」「仕事増やすなよ」といった態度。

でも、自転車は高い。仕方ない。

毛嫌いしていたが数回目には顔を覚えてくれた。

で、ちょっと仲良くなった。嬉しかった。


時を戻そう。

そう、今日はその嫌いな警察署やらに行ってきた。

どんな態度をとられても平気なように

歩きながらシュミレーションはした。

相手に不足はない。僕も心構えはできている。

目の前のリングに足を踏み入れた。


「こんにちは!!どのようなご用件で!?」

「住所変更ですね!こちらへどうぞぉ!!」


やられた。受付のお姉さんのフレッシュな笑顔。

テキパキ迅速に乗り出してきた担当のおじさん。

強烈に気持ちの良い対応。

さわやかなジャブが止まらない。


「こちらの用紙にご記入いただけますか!?」

「すみません!書くところ沢山でめんどうですよね!?」

「こちらに椅子がありますのでどうぞおかけに!!」

「いかがです!?わからないところはございませんか!?」


たたみかけるように繰り出されるジャブ。

とめどない。淀みのない親切心のジャブが止まらない。

もはや、無慈悲の愛だった。


完敗だった。


免許証が戻ってくるまで。

ぼぅ~としていった。


受付のお姉さんはどうやら入って日が浅いようだ。

隣にさっきとは別のおじさん警官が座っていた。

その会話がなんだかとても穏やかだった。

おじさん警官はお姉さんが寂しくないよう

いろいろと話しかけていた。

世間話をしているようで、2人から笑顔がこぼれていた。


もしかしたら下心があったのかもしれない。

でもまるで我が子のように大切にしている感じだった。

最近とても心が荒廃していたのでなごみになごんだ。


そのあと一応仕事をしなければと思い喫茶店に行って、

潤った心をしっかり荒廃させた。


晴れた日は外に出よう。

どんなに憂鬱な気持ちでも少しばかりおめかしして

太陽の下を歩こう。


日が落ちた帰り道中、

取り残されたクリスマスのイルミネーションが視界に入った。

寂しさはなかった。輝きが気持ちよかった。


今日歩いてるときにかわいい看板を見た。

「やきそばーHIT」。

なぜ伸びる?なぜHIT?

謎だ。この謎は永遠にとけない。


お粗末様でございました。



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