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#蛍光灯が切れる音

  • 執筆者の写真: toshiki tobo
    toshiki tobo
  • 2021年4月19日
  • 読了時間: 2分

会社の蛍光灯がもうそろそろ終わりそうだ。

じりじりと音を立てている。

社内が静まるとその音はより一層

強く僕の耳へ響いてくる。

この音を聞くと中学生の頃の夏休みを思い出す。


クーラーが得意でない僕は脂汗をかきながら

夏の終わりの夜遅くに、積もらせた課題と格闘していた。

僕の地元は夜になると怖いほど静かになる。

外の物音は虫の鳴き声、時々とおる車の音、

ヤンキーが乗る原付バイクのけたたましい音ぐらいだった。

そんな中、学習机のあの安っぽい蛍光灯が

じりじりと音を立てながら手元を照らしていた。


"暖かい"から"暑い"に切り替わるこの時期に

フライング気味に夏の記憶が呼び覚まされた。

少しばかりのノスタルジーを引き連れてね。


僕は今の時期が1年でもっとも好きだ。

だけども、大好きなこの時期に思い出がほとんどない。

何かをしていた記憶もない。何をしていたのだろう。


でも夏の思い出はいくつも覚えている。

特段すごく印象的だったことは何もない。

でも確かに覚えているのだ。


蛍光灯の"じりじり"が中学生の僕を引き連れてきた。

何年も思い出さなかったことをその音が呼び覚ましたのだ。

不思議なものだ。とても不思議。


明日何かが起こるのだろうか。

なぜかワクワクしてきた。

いまから外へ走りに行こう。

きっと夜風が気持ちいだろう。


今日も遊びに来てくれてありがとう。

なぜか小説みたいになってしまった。

恥ずかしい。

それでは、また明日。


お粗末様でございました。




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