#返歌で返報
- toshiki tobo
- 2023年9月24日
- 読了時間: 2分
好きな慣習があります。墓参りで交わされる檀家同士の挨拶です。
街中で見ず知らずの他者同士が挨拶をかわすことがなくなって久しい今日、あの場で自然に交わされるいつもの言葉は、優しく心に響きます。若干うやうやしくも感じられますが、清らかで、淀みのないまっすぐな思いを受け取ります。
さて、数日前から百人一首を覚え始めました(肝心な和歌はまだ一つも覚えられていませんが)。歌詞と同じく、リズムで記憶してしまう癖が抜けず、それらしい言葉で出鱈目な歌に仕上げてしまいます。まだまだ、ちはやふるまでの道のりは長いです。
自分探しの旅からさっさと足を洗い、自己分析に力を入れるようになって数年が経ちました。それによると、どうやら僕は古典が好きなようです。今回の百人一首ブームもその一つのように思います(今のところブームの予感)。できる限り領域を広げて聴いている音楽も、もともとはクラシックが好きです。芸術や建築も同様な気がします。ものの見方や、表現方法も時代錯誤な古風なものに心惹かれることが多いです。
大雑把なものの言い方に辟易してしまうかもしれませんが、それらに共通して包含される奥ゆかしさが好きなのだと思います。理由はきっとあるのだけれど、なんとなく素敵!と感じるか否かがミソだと思います。触れていると心が豊かになるものが文化の一つの側面であり、僕にとっては、なんとなく素敵!がそれに当てはまるような気がしています。
しかし、過去に遡るだけではなく今を追うことも、文化を学ぶ上ではとても重要だとも感じています。目まぐるしく変容する社会で、追えども追えども追いつけず、白目を剥き出して力走しています。まったくもってままならない。
そういえば、つい先日、ある人のブログを数ヶ月ぶりにのぞいたら、紛れもなく僕のことが書かれていました。約1年前にその人と会話をした時の内容で、僕の発言に対してトーンポリシングであるとの批評でした。当時は同調していたくせに自分のことを棚に上げてずるい!と、就寝前にムカッ腹を立たせました。お陰で入眠までえらい時間がかかりました。何から何までリアルタイムでアップデートを進めることなんて無理!間違えがあったのならば、直接的に伝えてくれればいいのに!いけすかない!
忘らるる身をば思はず誓ひてし
人の命の惜しくもあるかな (右近)
和歌で返報ができたらさぞ気持ちよいだろうと願っては、一旦お寺挟もうと我に帰った今日の僕のご乱心でした。

Comments